社会保険労務士(社労士)/藤本事務所(大阪) 社会保険労務士(社労士)
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社会保険関連のQ&A

個人事業主のための厚生年金・社会保険 (個人事業主も厚生年金に加入しよう)
 
Q. 私は、個人で飲食店(喫茶店)を経営しております。年金は国民年金です。  老後のことやもしものことを考えると少し不安です。  年金や補償を増やす方法はないでしょうか?
A. 個人事業主にとって、老後の生活費はサラリーマンよりも重大なテーマです。 サラリーマンには、通常、「老齢厚生年金」の他に「退職金」があります。 退職金は、サラリーマン本人自身が意識しなくても会社が準備してくれる貴重な老後の資金です。 通常、法人事業主は厚生年金に加入し、個人事業主は国民年金に加入しています。 個人事業主は、今の法律では厚生年金に加入できません。
しかし、藤本事務所では、個人で事業をしている零細事業主(正社員を雇用していない)に対しても、事業を法人化し、厚生年金保険に加入する事を勧めています。
厚生年金に加入するメリット−1.遺族厚生年金が受給できる
 

年金というと、先ず「老齢年金」が頭に浮かびますが、「遺族年金」もあるということにご注目下さい。(その他に障害年金もあります)遺族厚生年金の年金額はどれ位になるでしょうか?

例として、妻が40歳の時に夫死亡、子供は15歳と11歳の2人の場合です。

国民年金からは、約817万円の遺族年金がもらえます。
厚生年金からは、約3227万円の遺族年金がもらえます。
(内訳 中高齢寡婦加算 1085万円+遺族厚生年金 2142万円)

厚生年金に加入するということは、3000万円の生命保険に加入する事と同じことなのです。みなさんはどれ位の金額の生命保険に加入されていますか?

厚生年金に加入すれば、生命保険の金額を3000万円減らすことができます。 当然、その分保険料も節約できます。

※生命保険(死亡保障) 3000万円の保険料ていくら?
大手生保 定期型(掛け捨て型)
30歳時
年額 約 56,500円
40歳時
年額 約 82,000円
50歳時
年額 約156,000円

厚生年金に加入するメリット−2.国民年金の他、厚生年金からも老齢年金が受給できる。
 

 厚生年金に加入すれば、当然、老齢基礎年金の他、老齢厚生年金も受給できます。
 老齢厚生年金は加入中の平均給与に応じて年金額が変わります。

平均給与 20万円 40年加入 の場合 年金額 約68万円
  25万円 40年加入   年金額 約86万円
  30万円 40年加入   年金額 約103万円
  40万円 40年加入   年金額 約137万円

厚生年金に加入するメリット−3.トータルの社会保険料を節約できる
 
  1. 厚生年金に加入しない場合=国民年金+国民健康保険
     国民年金は、夫婦2人分、13,300円×2=26,600円 年額 319,200円  国民健康保険は、主に収入により大きく変わりますが、ここでは平均額として年額30万円ということにして、合計で約62万円とします。

  2. 厚生年金に加入する場合=厚生年金+健康保険
      この場合の保険料は、給与に料率をかけますので、給与額に比例します。  
     厚生年金の保険料率は給与の17.35%、健康保険の保険料率は給与の8.5%です。 

○例えば、給与を低めの15万円にした場合
厚生年金保険料は26,025円、健康保険料は12,750円、合計38,775円 年額 46.5万円

○20万円にした場合
厚生年金保険料は34,700円、健康保険料は17,000円、合計51,700円 年額 62万円
(通常の社員の場合は、上記金額の半分ですが、事業主の場合は全額自己負担となりますので、全額の金額で計算しています)

保険料で比較すると、約20万円の給与でほぼ同じになります。
保険料が同じであれば、厚生年金に加入している方が、断然お得です。
まして給与を20万円以下にすることができれば、非常に有利です。

厚生年金に加入するメリット−4.傷病手当金が受給できる
 
もう1つ有利なことがあります。「傷病手当」が受給できることです。 病気やケガで仕事ができなくて、収入がない場合など、社会保険から「傷病手当」として、給与の60%が支給されます。
国民健康保険には、原則、この傷病手当の制度がないので支給されません。
厚生年金に加入するデメリット−1.法人にも税金がかかる
 
余分な経費として、法人にも都道府県民税と市民税がかかります。 最低でも7万円必要です。
厚生年金に加入するデメリット−2.税務申告が個人より複雑
 
個人の場合は比較的簡単ですが、法人になるとそうもいきません。 少し勉強して自分で申告するか又は、安く引き受けてくれる所(納税協会や商工会等)を探すかです。
厚生年金に加入するデメリット−3.法人設立費用等が必要
 
 法人を作るには、資本金が必要です。株式会社の場合は1000万円、有限会社の場合は300万円必要です。しかし、合名・合資会社であれば、最低資本金がないので、例えば資本金10万円でも設立可能です。
注意事項
 
  • 配偶者を扶養家族とし、国民年金の第3号被保険者とすること。 月額10万円程度の収入であれば、扶養家族になり、国民年金の第3号被保険者となりますので、国民年金保険料(13,300円)の納付が不要です。
  • あまり高額な役員報酬をとらない なるべく、月額20万円以下にすることをお勧め致します。 (法人税が高額になるようであればご注意下さい)
最後に
 
 何の為に「法人化」するのか?保険・年金のために法人化してどこが悪いでしょうか。 どうして、労災保険は個人事業主でも加入できるのに、厚生年金は法人でないと加入できないのか?合理的な理由はありません。検討してみる価値は充分ありますよ!!

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