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確定拠出年金 (日本版401K)について

現在の退職金制度の問題点−2.適格退職年金
 
現在の確定給付型企業年金制度(適格退職年金・厚生年金基金)は、将来発生する年金給付のリスクの全てを企業が負う構造になっています。 従業員には有り難い制度ですが、企業にとっては金利水準、株式市況、その他の運用環境等の企業自身がコントロールできない、 本業と関係ない外部的要因により債務費用が増加して、厳しい経営環境に追い込まれています。

これは、確定給付型企業年金制度が将来の年金給付を約束し、次式により掛金を算出しているからです。

掛金+運用収益見込(予定利率=5.5%)=年金給付額
  年金給付額は・・・
 
 年金給付額は最初から決まっているので、運用収益見込みが実際より少なくなると不足額が発生し、 掛金として事業主負担が増加します。運用益以外に、退職率、死亡率、昇給率などの変動による不足額等の発生も全て事業主負担になります。
事実、企業年金を実施している企業のほとんどは、長年続いている運用環境の悪化により実質運用収益が予定利率を大幅に下回る逆ザヤで事業主負担が過重になり、 低金利・低成長時代に適応できない制度疲労を起こしています。
  現在、適格退職年金を実施している企業のほとんどは・・・
 
現在、適格退職年金を実施している企業のほとんどは、実質運用利率が予定利率を大幅に下回る逆ザヤ状態が長期間続いています。 そのため、この利息の差損による不足積立金は年々増加しており、事業主負担が過重になり適格退職年金制度の財政が非常に悪化しています。 永遠に資金運用の責任まで事業主が持つことの危機感が増幅しています。
下の表は、ある企業の平成3年から平成12年までの実質利回りと過去勤務債務等現在額の推移です。
  実質利回りとは・・・
 
  実質利回りとは、総運用収益から生命保険会社・信託銀行への手数料、特別法人税等を差し引いて、企業が実際に受け取る手取り利回りのことです。
 過去勤務債務等現在額とは、退職給付のための責任準備金に対して制度発足以来の不足金(逆ザヤ分なども含む)累積額です。
グラフによると実質利回りは制度が発足した平成3年以来11年間一度も予定利率の5.5%に達せず、相当大幅な逆ザヤで推移してきています。 そのため、過去勤務債務等現在額(不足積立金)は年々増加し続けています。
  今まで
 

 今までオフバランスで生保・信託に任せっきりであった年金財政も、平成12年度から新しい会計基準が適用され毎年企業会計上オンバランスになり、 過去の隠れ債務が突然オープンになりました。どこの企業でも経営上の大きな問題になっています。

平成 3年度
4年度 5年度 6年度 7年度 8年度 9年度 10年度 11年度 12年度
実質利回り(%) 5.49 3.16 0.94 0.51 0.58 0.39 0.92 3.09 0.36 1.4
責任準備金@ 483 521 627 704 782 866 948 1031 1136 1263
年金資産A 438 473 502 551 605 656 708 772 857 976
過去勤務債務等現在額
@-A
45 48 125 153 177 210 241 258 279 287
単位(百万円)           資料提供:潟tァン・ジャパン
実質利回りの推移グラフと過去勤務債務等の現在額推移表グラフ

 このケースでは、10年以上も赤字が続いている訳ですから、これが表面化すれば倒産しても不思議でありません。 にもかかわらず企業は、生保・信託から充分な説明を受けずその実態を知らされず、 又、政府も節税には協力したものの積立不足への改善策はこれまでのところ放置してきました。
漸く、政府も企業年金をこれからは厳しくしようと平成14年4月1日から「新企業年金法」を施行し、 いい加減な節税策だけの制度を廃止と決めました。
適格退職年金は、新企業年金法の施行に伴い、10年の経過措置で廃止されますが、この過去勤務債務は、 当然のことながら最終的には企業の負担となります。続々と解散が続いているのも、 このような理由からで、又厚生年金基金と比べ、労使協議によりいつでも廃止できるからです。
対応が遅れれば遅れるほど、債務は膨れるばかりですので、早めの対応が肝心です。

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