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確定拠出年金 (日本版401K)について

現在の退職金制度の問題点−3.厚生年金基金
 
適格退職年金よりも事態が深刻なのが総合設立型の厚生年金基金です。
厚生年金基金の設立形態は、「単独設立」「連合設立」「総合設立」の3種類ですが、 単独設立又は連合設立は、大企業が単独又はグループで設立した基金であり、 大企業のことですから中小企業に比べ体力がありますのでなんとか対処が可能です。
  1.悲惨なのは、「総合設立型」です。
 
同種同業の中小企業などが集まって設立している総合設立型基金の年金制度は、 給付設計が代行型で実施されています。ほとんどが昭和40年代〜50年代の高金利時代に信託銀行と生命保険会社の 猛烈なセールス活動によって生まれました。当時は市場利回りが8%を超えていたので、 厚生年金保険の予定利率5.5%を大幅に上回っていました。この利息の差を利用すれば、 代行部分相当を基金で実施した方が掛金率が安く、 しかも免除保険料(基金が代行運用する原資)を利用すれば給付額の上乗せまで出来ました。 基金で代行実施するための認可基準は、「国の給付の30%以上上乗せ」となっています。 そのため代行型は最低基準のプラスアルファの30%ギリギリで、本体と同じ標準報酬月額ベースの給付額算定で実施されています。 中小企業業界がこぞって総合型を設立したのは、利差益のメリットがあったからです。

 (国の基準である5.5%×1.3=7.15%以上で運用できれば、その運用益が利差益)

しかし、バブル崩壊後の長期間の年金運用低迷により設立当初のメリットがなくなり、 予定利率5.5%を下回る逆ザヤ現象で各総合設立型基金は相当の積立不足債務を抱え込んでいるのが現状です。
基金の事務費までも負担して、経費をかけて独自運営しても何のメリットもないばかりか、逆に損が累積していくだけなので、 基金からの脱退や解散が急増しています。今後も、この傾向は続くものと思いますが、脱退などの場合、過去の繰越不足額、 移行調整金、脱退に伴う脱退差益損など3つの不足額を払う必要があるので、引くに引けないのが現状です。
  もう1つの問題は、
 
厚生年金基金の破綻時(又は解散時)のための支払保証事業の改革です。
厚生年金基金連合会は、年金財政が行き詰まったりして解散した基金に代わって受給者に年金を給付する支払事業を行っていますが、 平成6年以来解散が相次ぎ、財政が悪化しています。事業の財務改善のため各基金から徴収する掛金を引き上げ、 同時に徴収基準を積立不足が多い基金ほど高く設定されます。このため、ただでさえ財政状態が悪い総合型基金は、 本来の財務改善の追加負担の他に、支払保証の掛金引き上げが重なります。
  3つ目の問題は、
 
厚生年金基金は、認可基準上、年金は全て「終身」で設計しなければならないことです。 そのため、平均余命が延びれば、その分だけ必要な年金原資が増加して不足積立金の発生原因となります。 設立当時より平均余命は約10年も延びました。毎月10万円の年金を退職社員に支払うとすれば、 企業に何の貢献もしない退職社員に1人当たり1200万円もの負担が現役社員の働きにかかってきます。
「運用利率の大幅下落」「終身年金としての負担」このような厳しい負担の現実を受託機関である信託・生保は、 セールスした当初とはあまりに違い怖くて説明できないため、中小企業である加盟会社は、 形式的な報告書を受け取ってもその問題点をほとんど理解していません。
  最後に、
 
基金は、適格退職年金のように簡単に脱退や解散ができないことです。
社員50人程の総合設立型基金の加盟会社の場合。先代社長時代に参加した「基金」ですが、 問題点に気付いて脱退を申し出ると、「1人当たり110万円」の積立不足を支払えば脱退可能とのことでした。 総額で約6000万円必要です。利益も出ていない会社に負担のしようもありません。
このまま加入を続けて行けば不足は増えていくばかりです。 不足分の内、約3分の1が国の厚生年金代行部分(5.5%に対する不足部分)であり、 残りの3分の2が高い運用益を期待して約束した3割増の加算部分(5.5%×1.3=7.15%に対する不足部分)です。

1社単独での脱退が加盟企業との関係で難しいとすれば、基金自体の解散しかありません。 今解散すれば、国に返上する「代行部分」の穴埋めだけで済みます。 平成14年4月に企業年金法が施行されれば、残りの3分の2も用意しなければ解散もできなくなります。 厚生年金基金の解散には代議員の4分の3以上の同意が必要ですので、加入企業全部での相談・合意が必要です。 解散を先延ばしにしている間に、もし加盟企業の倒産があれば、その負担は残った企業が負わなければなりません。 単独設立のように自社で方針をきめられないのが「総合設立」の問題点です。 幸い加算部分までの強制穴埋めが必要になる時期は当初平成14年4月1日からでしたが、 厚生労働省の通達により当分延期されましたので、この間に決断をしないで「先延ばし」にすればするほど事態の深刻化を招きます。 まるで政府の不良債権処理と同じです。

保有資産が国の代行部分に満たない基金の割合
単独型
9.0%
(解散する場合代行部分の穴埋めが必要な基金) 
連合型
22.3%
 
総合型
86.8%
 
(出所:年金情報)
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