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労基署の提出義務認める 最高裁「公務に支障ない」 労災報告文書めぐり初判断
 

共同通信によると、労災事故で死亡した従業員の遺族が、労働基準監督署に事故の調査報告文書を裁判の証拠として提出するよう求めた申し立てで、最高裁第三小法廷は 17 日までに「会社の安全管理体制や事故の状況、原因などに関する部分は提出義務がある」との初判断を示した。

その上で提出を認めなかった名古屋高裁金沢支部決定を破棄、審理を同高裁に差し戻す決定をした。決定は 14日付。

労災訴訟は事実関係の争いで長期化するケースも多い。ほとんど否定されてきた提出義務を認めた最高裁決定は、報告書に基づく事実関係の立証を可能にし「紛争の早期解決につながる」と専門家も評価している。

決定理由で上田豊三裁判長は、労基署の調査報告文書について「関係者の聴取内容がそのまま記載されてはおらず、公開しても(労基署と関係者との)信頼を著しく損ねることにはならない」と指摘。提出により公務に大きな障害を与える恐れはないと判断した。

問題となったのは労基署が/(1)/会社への立ち入り検査や関係者への調査結果/(2)/再発防止策や行政上の処分―などについてまとめた「災害調査復命書」。上田裁判長は/(1)/に関しては提出を拒否できないとした上で、/(2)/については「行政内部の意思形成過程が公開されれば公務の障害になる」と提出義務を否定した。

この労災事故は金沢労基署管内の工場で発生。遺族は会社側に損害賠償を求め金沢地裁に起こした訴訟で、事実関係に関し労基署への調査嘱託を求めたが、労基署は報告文書の概要しか答えなかったため、文書を提出するよう申し立てた。

地裁は提出を命じたが、高裁支部は情報提供者の意に反し文書を提出すれば信頼が損なわれ、今後の調査に影響するとして申し立てを却下した。

2005年10月17日(共同通信)

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