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社員遺族の敗訴確定 最高裁、団体保険で初判決
「目的逸脱」と企業批判 住軽金訴訟、無効指摘も
 

共同通信によると、企業が全社員対象に一括契約し、生命保険金を受け取る「団体定期保険Aグループ」(廃止)をめぐり、住友軽金属工業(東京)在職中に死亡した社員計4人の遺族が会社側に保険金引き渡しを求めた訴訟2件の上告審判決が 11 日、最高裁第3小法廷であった。

藤田宙靖裁判長は「会社側が遺族に保険金の全部または一部を支払う約束はない」として、請求を全面的に退けた。遺族側の敗訴が確定した。

団体保険をめぐる最高裁判決は初めて。2件のニ審判決はともに名古屋高裁で、遺族側一部勝訴と敗訴に分かれていた。

判決理由で藤田裁判長は商法の「他人の生命保険で保険金を受け取る契約には被保険者の同意が必要」との規定により、同意がない場合、契約自体が無効と強調。

その上で会社側の対応を検討し(1)保険会社との良好な関係を保つため漫然と契約を繰り返した(2)一人当たり 6,000 万円を超える保険金を受け取り、遺族には 1,000 万円前後しか支払わなかった―などの点について「社員の福利厚生という保険の目的を逸脱していたのは明らかだ」と強く批判した。

さらに4裁判官のうち2人が補足意見で「住軽金は労働組合の同意しか得ていない」として、保険契約そのものの無効を指摘した。

しかし両訴訟は原告、被告双方が本人の同意を前提に保険金の帰属を争ったため、判決は保険金の引き渡し義務に限定して判断。結論は「同意を前提としている以上、社内規定額以上の補償金を支払う義務はない」として会社側勝訴となった。

社員4人は名古屋製造所に勤務していた 1994 〜 96 年に死亡。遺族3人が原告の訴訟で一、二審は一人当たり約 1,700万〜約 2,100万円の引き渡しを同社に命じたが、もう一人の遺族の訴訟は二審が一審の一部勝訴判決を取り消した。

団体定期保険Aグループは社員の個別同意なしに契約し、企業が保険金を事実上独占することが多く、社会的批判を浴びた。このため保険各社は 1996 年以降、遺族補償を主契約とする「総合福祉団体定期保険」に切り替えている。

2006年04月11日(共同通信)

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