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      <title>重要労働判例一覧</title>
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         <title>湘南精機事件「中退共による受領退職金の返還請求」（東京高裁Ｈ17.5.26：労判898）</title>
         <description><![CDATA[従業員の退職に際して、従業員が勤労者退職金共済機構（以下「中退共」）から受け取る退職金額のうち、会社の退職金規程により算出した退職金額を超える部分についての返還する旨の合意をしていた。その後、疑問に思った労働者が本件合意は錯誤又は公序良俗違反であるとして返還を拒否し、会社が返還請求の訴えを起こした。

一審判決では、「覚書の意味内容に関しては明確かつ十分に認識・理解した上でそれに証明押印したもの」として、労働者の錯誤による合意という主張を退けた。また、退職金共済契約は「使用者の退職金支払いを確実ならしめ、かつ、退職金支払い事務の便宜等を図るためにこの共済制度を利用しているにすぎず」「退職金支払い義務の履行を補助する」ものであるとし、超過部分の返還については「掛け金全額を負担するＹ（会社）に対する関係において（従業員が）これを最終的に取得する権利を有するとの実質的かつ合理的な法的根拠が不明」として公序良俗違反との主張も退けた。

しかし、<strong>二審判決では合意は強行法規及び公序良俗に反するもので無効であるとして、会社の返還請求を棄却した。</strong>中小企業退職金共済制度は、従業員の福祉の増進を目的としており、被共済者（従業員）及びその遺族は直接、中退共に対して退職金受給権を取得するものであり、その権利は譲渡が禁じられている。また、中小企業退職金共済制度のもう一つの目的である中小企業の振興に寄与するという点については、会社の負担する掛け金については、法人税の損金に算入できる他、会社の掛け金を減額し国庫補助する制度がある。
<u>中小企業退職金共済法によるこれらの規定は、それに反する内容の契約についてはその効力を認めない強行法規と解されるとし</u>、本件合意及び会社の退職金規程「自己都合退職の場合、中退共積立金額が退職金額を上回る場合は、会社に返還のこと」との定めは無効とされた。また、使用者の立場を利用して退職金共済契約の内容について正しい説明をすることなく合意を成立させたことは<u>公序良俗にも反するとの判決</u>がなされた。
　地裁判決が退職金規程によって定められた退職金額を超える共済金額を従業員が取得することを実質的に正当化する理由はないと判断していたことに比べると、高裁の判断には、中退共制度は、退職金の原資を保全するためのものではなく、退職金の支払そのものを確保するための制度（同趣旨の判決：甲府商工会議所事件・甲府地裁H10.11.4）であるという姿勢が伺える判決といえる。
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">002(2)賃金・退職金</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 26 May 2005 18:34:18 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>朝日火災海上保険（高田：非組合員）事件「不利益変更：退職金規程の効力」（最高裁第三小法廷判決：Ｓ8.3.26）</title>
         <description><![CDATA[<strong>【事件の概要】</strong>
　会社は、昭和４６年１０月、退職金規定を改訂し、勤続期間３０年の退職者に支給する退職金を本俸の７１力月分と定めた。この改訂は、本俸の賃上げ率が、各年６％程度であり、定年退職金支給額が１３００万円ないし１５００万円程度との見込みの下に行われたもので、将来退職金が２０００万円を超えるような事態になれば、算定基準の見直しを要するとすることについては、労働組合も同意見であった。
　その後の各年の賃上げ状況は、昭和４６年を１００とした場合、昭和４９年は１８７．８、昭和５２年は２３４．４であり、賃上げ率が当初見込みどおりであれば、昭和５２年は１４１．９となる予定であったこと、大蔵省の検査の際、この状態が続けばいずれは退職金倒産となるであろうと指摘されたことなどから、労使間の合意により、昭和５４年度以降は、退職金規定の改訂が実現するまでは、退職金算定の基準となる本俸を昭和５３年度のそれに凍結することを取り決めた。
　会社は、昭和５８年７月１１日、労働組合との間で労働協約を改訂し、同時に就業規則も改訂した。改訂事項のうち退職金に関する部分の要旨は、「基準支給率を『３０年勤続７１ヵ月』から『３０年勤続５１ヵ月』に改訂するが、経過措置として昭和５８年度は６０ヵ月とする｡」というものであった。
　当該労働協約においては、同時に、当初からの自社従業員については満５５歳、他社業務引継に伴う移籍従業員については満６３歳とされていた定年について、
@昭和５８年４月１日より満５７歳の誕生日をもって定年とする。
A定年後引き続き勤務を希望し、心身共に健康な者は原則として満６０歳まで特別社員として再雇用する。
B特別社員の給与は、特別社員給与規程による。
C退職金は満５７歳の定年時に支給し、それ以降は支給しない。
という合意をした。なお、「昭和５８年４月１日現在満５７歳以上の者は満６２歳まで特別社員として再雇用し、同年３月末日の基本給に基づき新方式により、同日付けで退職金を支給する｡」等の経過措置を講じた。
　これに伴い、会社は、昭和５８年４月１日現在すでに満５７歳に達していた原告（控訴人、被上告人、支店営業担当調査役、非組合員）に対し、新退職金規程の経過措置に基づき、同人の３月末日の基本給３０万８４００円に６０を乗じた１８５０万４０００円を退職金として支払った。
　原告は、新労働協約は非組合員には適用できないこと、就業規則の変更による退職金支給率などの改正は無効であるとして、変更前の支給率による退職金の支払い等を求めた。
　ちなみに、本人の昭和５３年度の本俸額は２８万２８００円であり、これに７１を乗じると２００７万８８００円となり、差額は１５７万４８００円となる。
<strong>第１審</strong>は、新労働協約は、合併後の労働条件統一の必要性等合理性があり、非組合員の労働条件を低下させることを目的としたものではないこと、代償金などが支払われ一定の配慮をしていることなどを挙げ、<u>新労働協約の効力が非組合員にも及ぶとし、</u>また、新労働協約の締結に伴う就業規則による定年制および退職金支給率の<u>変更にも合理性があり、原告に対してその効力が及ぶとした。</u>

<strong>第２審</strong>は、<u>新労働協約および新就業規則の一部の効力は原告には及ばないとして旧退職金規程に基づく退職金の請求を認めた。</u>

　最高裁も、原告の請求を認めた。
<strong>【判決要旨】</strong>
１　労働協約には、労働組合法１７条により、一の工場事業場の４分の３以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の規範的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められている。ところで、同条の適用に当たっては、右労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益とみられる場合であっても、そのことだけで右の不利益部分についてはその効力を未組織の同種労働者に対して及ぼし得ないものと解するのは相当でない（効力が及ぶ）。けだし、同条は、その文言上、同条に基づき労働協約の規範的効力が同種労働者にも及ぶ範囲について何らの限定もしていない上、労働協約の締結に当たっては、その時々の社会的経済的条件を考慮して、総合的に労働条件を定めていくのが通常であるから、その一部をとらえて有利、不利ということは適当でないからである。・・・・
　これを本件について見ると、前記事実関係によれば、まず、本件労働協約は、被上告人が勤務していた上告人の北九州支店において、労働組合法１７条の要件を満たすものとして、その基準は、原則として、被上告人に適用されてしかるべきものと解される。……
　しかしながら他面、本件労働協約の内容に照らすと、その効力が生じた昭和５８年７月１１日に既に満５７歳に達していた被上告人のような労働者にその効力を及ぼしたならば、被上告人は、本件労働協約が効力を生じたその日に､既に定年に達していたものとして上告人を退職したことになるだけでなく、それと同時に、その退職により取得した退職金請求権の額までもが変更前の退職手当規程によって算出される金額よりも減額される結果になるというのであって、本件労働協約によって専ら大きな不利益だけを受ける立場にあることがうかがわれるのである。また、退職手当規程等によってあらかじめ退職金の支給条件が明確に定められている場合には、労働者は、その退職によってあらかじめ定められた支給条件に従って算出される金額の退職金請求権を取得することになること、退職金がそれまでの労働の対償である賃金の後払的な性格をも有することを考慮すると、少なくとも、本件労働協約を被上告人に適用してその退職金の額を昭和５３年度の本俸額に変更前の退職手当規程に定められた退職金支給率を乗じた金額である２００７万８８００円を下回る額にまで減額することは、被上告人が具体的に取得した退職金請求権を、その意思に反して、組合が処分ないし変更するのとほとんど等しい結果になるといわざるを得ない。加えて、被上告人は、上告人と組合との間で締結された労働協約によって非組合員とするものとされていて、組合員の範囲から除外されていたというのである。以上のことからすると、本件労働協約が締結されるに至った前記の経緯を考慮しても、右のような立場にある被上告人の退職金の額を前記金額を下回る額にまで減額するという不利益を被上告人に甘受させることは、<u>著しく不合理であって､その限りにおいて､本件労働協約の効力は被上告人に及ぶものではないと解するのが相当である。</u>
２　一方、労働者の労働条件を不利益に変更する就業規則が定められた場合においては、その変更の必要性及び内容の両面からみて、それによって労働者が被る不利益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認することができるだけの合理性を有するときに限り、就業規則の変更の効力を認めることができるものと解するのが相当であることは、当審の判例とするところである。
　これを本件について見ると、前記事実関係の下においては、変更前の退職手当規程に定められた退職金を支払い続けることによる経営の悪化を回避し、退職金の支払いに関する前記のような変則的な措置を解消するために、上告人が変更前の退職手当規程に定められた退職金支給率を引き下げたこと自体には高度の必要性を肯定することができるが、退職手当規程の変更と同時にされた就業規則の変更による定年年齢の引下げの結果、その効力が生じた昭和５８年７月１１日に、既に定年に達していたものとして上告人を退職することになる被上告人の退職金の額を前記の２００７万８８００円を下回る額にまで減額する点では、その内容において法的規範性を是認することができるだけの合理性を有するものとは認めがたい。そのことは、右１に説示したところに照らして明らかである。したがって、被上告人に対して支払われるべき退職金の額を右金額を下回る額にまで減額する限度では変更後の退職手当規定の効力を認めることができない。

<strong>■（参考）朝日火災海上（石堂：組合員）事件（最高裁判決：H9.3.27）</strong>
本件の原告と同じ他社業務引継に伴う移籍従業員であるが、労働組合員であった労働者が、労働協約による退職金支給率の引下げは無効であるとして、退職金差額の請求をした事件である。
　１、２審とも請求を棄却し、最高裁も、協約締結の経緯や当時の会社の経営状態、協約内容の全体的な合理性に照らすと、<u>本件協約は特定の組合員を殊更不利益に取り扱うことを目的として締結されるなど組合の目的を逸脱して締結されたものとはいえず、協約の規範的効力を否定する理由はない</u>として、上告を棄却した。
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">007(7)就業規則</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 26 Mar 1996 20:18:09 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>大曲市農協事件「不利益変更：退職金規程の不利益変更の必要性、代償措置の有効性等」（最高裁第三小法廷判決：Ｓ63.2.16）</title>
         <description><![CDATA[<strong>【事件の概要】</strong>
　大曲市農協は昭和４８年に７つの農協が合併したものであるが､合併に際し､それぞれの農協の給与、退職金等の規定が相違していたので、これらの規定の統一が必要であった。
　給与については、７農協中最も高額であった大曲農協の給与に準拠して調整したが、退職金については、ほぼ同水準であった６農協の退職金規程に準拠して新しく昭和４９年職員退職給与規程を作成した。ところが、旧花館農協だけは他農協に比べて退職金が高水準であったため、旧花館農協職員にとっては合併後の新退職給与規程は合併前に比べ不利益なものとなり、旧花館農協時代から引き続き勤務し、昭和５３年から５６年にかけて定年退職した本件の３人の労働者について旧規定と新規定による退職給与金額を比較すると、１人は１、３５１万円が１、１７３万円（▲１７８万円）に、１人は、１、０８９万円が９１０万円（▲１７９万円）に、もう１人は１、１０３万円が９７２万円（▲１３１万円）になった。
　そこで、この３人の労働者が、新退職給与規程は不利益変更であって効力がなく、旧花館農協の退職給与規程によるべきだとして差額の支払いを求めた。
　１審は､新退職給与規程に合理性ありとしたが、２審は合理性なしとして労働者の請求を認めた。
　最高裁は、次のように述べて、退職給与規程の改正は合理性があり、旧規定による退職金の支払い義務はないとした。

<strong>【判決要旨】</strong>
　当裁判所は、<strong>昭和４３年１２月２５日大法廷判決</strong>において、「新たな就業規則の作成または変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないと解すべきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない」との判断を示した。右の判断は、現在も維持すべきものであるが、右にいう当該規則条項が合理的なものであるとは、当該就業規則の作成又は変更が、その必要性及び内容の両面からみてそれによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解される。<u>特に、賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し、実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成または変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受認させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるものというべきである。</u>
　これを本件についてみるに、まず、新規程への変更によって被上告人らの退職金の支給倍率自体は低減されているものの、反面、被上告人らの給与額は、本件合併に伴う給与調整等により、合併の際延長された定年退職時までに通常の昇給分を超えて相当程度増額されているのであるから、実際の退職時の基本月俸額に所定の支給倍率を乗じて算定される退職金額としては、支給倍率の低減による見かけほど低下しておらず、金銭的に評価しうる不利益は、本訴における被上告人らの前記各請求額よりもはるかに低額のものであることは明らかであり、新規程への変更によって被上告人らが被った実質的な不利益は、仮にあるとしても、決して原判決がいうほど大きなものではないのである。他方、一般に、従業員の労働条件が異なる複数の農協、会社等が合併した場合に労働条件の統一的画一的処理の要請から、旧組織から引き継いだ従業員相互間の格差を是正し、単一の就業規則を作成、適用しなければならない必要性が高いことはいうまでもないところ、本件合併に際しても、右のような労働条件の格差是正措置をとることが不可欠の急務となり、その調整について折衝を重ねてきたにもかかわらず、合併期日までにそれを実現することができなかったことは前示したとおりであり、特に本件の場合においては、退職金の支給倍率についての旧花館農協と他の旧６農協との間の格差は、従前旧花館農協のみが秋田県農業共同組合中央会の指導・勧告に従わなかったことによって生じたといういきさつがあるから、本件合併に際してその格差を是正しないまま放置するならば、合併後の上告組合の人事管理等の面で著しい支障が生ずることは見やすい道理である。加えて、本件合併に伴って被上告人らに対してとられた給与調整の退職時までの累積額は、賞与及び退職金に反映した分を含めると、おおむね本訴における被上告人らの前記各請求額程度に達していることを窺うことができ、また、本件合併後、被上告人らは、旧花館農協在職中に比べて、休日・休暇、諸手当、旅費等の面において有利な取扱いを受けるようになり、定年は男子が１年間、女子が３年間延長されているのであって、これらの措置は、退職金の支給倍率の低減に対する直接の見返りないし代償としてとられたものではないとしても、同じく本件合併に伴う格差是正措置の一環として、新規程への変更と共通の基盤を有するものであるから、新規程への変更に合理性があるか否かの判断に当たって考慮することのできる事情である。
　右のような新規程への変更によって被上告人らが被った不利益の程度、変更の必要性の高さ、その内容、及び関連するその他の労働条件の改善状況に照らすと、本件における新規程への変更は、それによって被上告人らが被った不利益を考慮しても、なお上告組合の労使関係においてその法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものといわなければならない。したがって、新規程への変更は被上告人らに対しても効力を生ずるものというべきである。


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         <link>http://www.office-fujimoto.net/hanrei/archives/1988/02/63216.php</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">007(7)就業規則</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 16 Feb 1988 19:53:39 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>御国ハイヤー事件「不利益変更：退職金規程の一方的廃止の合理性」（最高裁第二小法廷判決：Ｓ58.7.15）</title>
         <description><![CDATA[<strong>【事件の概要】</strong>
　昭和５３年７月末日をもって退職金支給規定を廃止し、同日までの勤続期間に対応する退職金は支払うが、８月１日以降の勤続期間は退職金算定基礎期間に算入しないこととしたもので、昭和５４年１０月に退職した労働者が廃止後の勤続期間も退職金算定基礎期間に含めるべきであると主張した事件である。
　１、２審とも、合理性なしとして原告の請求を認め、最高裁も、次にように述べて、退職金規定の一方的廃止は合理性がなく従業員に対し効力を生じないとした。

<strong>【判決要旨】</strong>
　　原審の認定するところによれば、上告人は昭和４１年１月１日から本件退職金支給規定を施行し、それには「退職金は、退職時の基本給月額に勤続年数を乗じて得た金額とする。勤続年数は入社の日から起算し、退職又は死亡の日までとし、１年未満の端数はこれを日割りとする」と定められていたところ、上告人は、従業員の同意を得ないまま、昭和５３年７月２９日の社内告示により、本件退職金支給規定を同月３１日限りで廃止し、同日までの就労期間に対応する退職金は支払うが、同年８月１日以降の就労期間は退職金算定の基礎となる勤続年数に算入しないことに変更し、上告人に昭和３８年６月１日入社し昭和５４年１０月２０日退社した被上告人に対し、昭和５３年７月３１日までの就労期間に対応する退職金のみを支払った、というのである。そして、原審は、本件退職金支給規定は就業規則としての性格を有しており、右の変更は従業員に対し同年８月１日以降の就労期間が退職金算定の基礎となる勤続年数に算入されなくなるという不利益を一方的に課するものであるにもかかわらず、<strong>上告人はその代償となる労働条件を何ら提供しておらず、また、右不利益を是認させるような特別の事情も認められないので、右の変更は合理的なものということができない</strong>から、被上告人に対し効力を生じない、と判断した｡以上の原審の認定判断は､原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。
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         <link>http://www.office-fujimoto.net/hanrei/archives/1983/07/58715.php</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">007(7)就業規則</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 15 Jul 1983 19:32:13 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>大日本印刷事件「採用：内定取消の効力」（最高裁第二小法廷判決：Ｓ54.7.20）</title>
         <description><![CDATA[<strong>【事件の概要】</strong>
　グルーミーな印象であることを理由とする採用内定取消につき、採用内定通知により解約権を留保した労働契約が成立するとして、本件取消は解約権の濫用に当るとした事例。

<strong>【判決結果】　棄却</strong>

<strong>【判決要旨】</strong>
<u>〔労働契約：採用内定の法的性質〕</u>
　本件採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかったことを考慮するとき、上告人からの募集（申込みの誘引）に対し、被上告人が応募したのは、労働契約の申込みであり、これに対する上告人からの採用内定通知は、右申込みに対する承諾であって、被上告人の本件誓約書の提出とあいまって、これにより、被上告人と上告人との間に、被上告人の就労の始期を昭和四四年大学卒業直後とし、それまでの間、本件誓約書記載の五項目の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したと解する。

<u>　〔労働契約：採用内定の取消し〕</u>
　採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られると解するのが相当である。これを本件についてみると、原審の適法に確定した事実関係によれば、本件採用内定取消事由の中心をなすものは、「被上告人はグルーミーな印象なので当初から不適格と思われたが、それを打ち消す材料が出るかも知れないので採用内定としておいたところ、そのような材料が出なかった。」というのであるが、グルーミーな印象であることは当初からわかっていたことであるから、上告人としてはその段階で調査を尽くせば、従業員としての適格性の有無を判断することができたのに、<u>不適格と思いながら採用を内定し、その後右不適格性を打ち消す材料が出なかったので内定を取り消すということは、解約権留保の趣旨、目的に照らして社会通念上相当として是認することができず、<strong>解約権の濫用</strong>というべき</u>であり、右のような事由をもって、本件誓約書の確認事項二、（５）所定の解約事由にあたるとすることはできないものというべきである
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         <link>http://www.office-fujimoto.net/hanrei/archives/1979/07/54720.php</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">001(1)労働契約</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 02 Jul 1979 21:03:48 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>三菱樹脂事件「採用：採用の自由、本採用拒否」（最高裁大法廷判決：Ｓ48.12.12）</title>
         <description><![CDATA[<strong>【判決結果】</strong> 破棄差戻

<strong>【判決要旨】</strong>
<u>　〔労基法の基本原則：均等待遇、雇い入れと均等待遇〕</u>
憲法の右各規定は、同法第三章のその他の自由権的基本権の保障規定と同じく、<u>国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的</u>に出たもので、もつぱら<u>国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない</u>。
　憲法は、思想、信条の自由や法の下の平等を保障すると同時に、他方、22条、29条等において、財産権の行使、<u>営業その他広く経済活動の自由をも基本的人権として保障している。</u>それゆえ、企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、<u>いかなる者を雇い入れるか</u>、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、<u>原則として自由にこれを決定することができる</u>のであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできないのである。<u>憲法14条の規定が私人のこのような行為を直接禁止するものでない</u>ことは前記のとおりであり、また、<u>労働基準法３条</u>は労働者の信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、これは、<u>雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制約する規定ではない。</u>また、思想、信条を理由とする雇入れの拒否を直ちに民法上の不法行為とすることができないことは明らかであり、その他これを公序良俗違反と解すべき根拠も見出すことはできない。
　右のように、企業者が雇傭の自由を有し、思想、信条を理由として雇入れを拒んでもこれを目して違法とすることができない以上、企業者が、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることも、これを法律上禁止された違法行為とすべき理由はない。もとより、企業者は、一般的には個々の労働者に対して社会的に優越した地位にあるから、企業者のこの種の行為が労働者の思想、信条の自由に対して影響を与える可能性がないとはいえないが、法律に別段の定めがない限り、右は企業者の法的に許された行為と解すべきである。また、企業者において、その雇傭する労働者が当該企業の中でその円滑な運営の妨げとなるような行動、態度に出るおそれのある者でないかどうかに大きな関心を抱き、そのために採否決定に先立ってその者の性向、思想等の調査を行なうことは、企業における雇傭関係が、単なる物理的労働力の提供の関係を超えて、一種の継続的な人間関係として相互信頼を要請するところが少なくなく、わが国におけるようにいわゆる終身雇傭制が行なわれている社会では一層そうであることにかんがみるときは、企業活動としての合理性を欠くものということはできない。のみならず、本件において問題とされている上告人の調査が、前記のように、被上告人の思想、信条そのものについてではなく、直接には被上告人の過去の行動についてされたものであり、ただその行動が被上告人の思想、信条となんらかの関係があることを否定できないような性質のものであるというにとどまるとすれば、なおさらこのような調査を目して違法とすることはできないのである。
<strong>右の次第で、原（高裁）判決が、上告人において、被上告人の採用のための調査にあたり、その思想、信条に関係のある事項について被上告人から申告を求めたことは法律上許されない違法な行為であるとしたのは、法令の解釈、適用を誤つたものといわなければならない。</strong>　

<u>　〔労基法の基本原則：均等待遇、信条と均等待遇（レッドパージなど）〕</u>
右に述べたように、企業者は、労働者の雇入れそのものについては、広い範囲の自由を有するけれども、いつたん労働者を雇い入れ、その者に雇傭関係上の一定の地位を与えた後においては、その地位
を一方的に奪うことにつき、肩入れの場合のような広い範囲の自由を有するものではない。
　労働基準法３条は、前記のように、労働者の労働条件について信条による差別取扱を禁じているが、特定の信条を有することを解雇の理由として定めることも、右にいう労働条件に関する差別取扱として、右規定に違反するものと解される。

<u>　〔労働契約：試用期間の法的性質〕</u>
　試用契約の性質をどう判断するかについては、就業規則の規定の文言のみならず、当該企業内において試用契約の下に雇傭された者に対する処遇の実情、とくに本採用との関係における取扱についての事実上の慣行のいかんをも重視すべきものであるところ、原判決は、上告人の就業規則である見習試用取扱規則の各規定のほか、上告人において、大学卒業の新規採用者を試用期間終了後に本採用しなかった事例はかつてなく、雇入れについて別段契約書の作成をすることもなく、ただ、本採用にあたり当人の氏名、職名、配属部署を記載した辞令を交付するにとどめていたこと等の過去における慣行的実態に関して適法に確定した事実に基づいて、本件試用契約につき上記のような判断をしたものであって、右の判断は是認しえないものではない。それゆえ、この点に関する上告人の主張は、採用することができないところである。したがって、被上告人に対する<strong>本件本採用の拒否</strong>は、<u>留保解約権の行使、すなわち雇入れ後における解雇にあたり、これを通常の雇入れの拒否の場合と同視することはできない。</u>　
（三）ところで、本件雇傭契約においては、右のように、上告人において試用期間中に被上告人が管理職要員として不適格であると認めたときは解約できる旨の特約上の解約権が留保されているのであるが、このような<strong>解約権の留保</strong>は、大学卒業者の新規採用にあたり、採否決定の当初においては、その者の資質、性格、能力その他上告人のいわゆる管理職要員としての適格性の有無に関連する事項について必要な調査を行ない、適切な判定資料を十分に蒐集することができないため、<u>後日における調査や観察に基づく最終的決定を留保する趣旨</u>でされるものと解されるのであって、今日における雇傭の実情にかんがみるときは、<u>一定の合理的期間の限定の下</u>にこのような留保約款を設けることも、<u>合理性をもつものとしてその効力を肯定することができるというべきである</u>。それゆえ、右の<strong>留保解約権に基づく解雇</strong>は、これを通常の解雇と全く同一に論ずることはできず、前者については、<u>後者の場合（通常の解雇）よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべきものといわなければならない。</u>
　しかしながら、前記のように法が企業者の雇傭の自由について雇入れの段階と雇入れ後の段階とで区別を設けている趣旨にかんがみ、また、雇傭契約の締結に際しては企業者が一般的には個々の労働者に対して社会的に優越した地位にあることを考え、かつまた、本採用後の雇傭関係におけるよりも弱い地位であるにせよ、いったん特定企業との間に一定の試用期間を付した雇傭関係に入った者は、本採用、すなわち当該企業との雇傭関係の継続についての期待の下に、他企業への就職の機会と可能性を放棄したものであることに思いを致すときは、前記留保解約権の行使は、上述した解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるものと解するのが相当である。換言すれば、企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らしその者を引き続き当該企業に雇傭しておくのが適当でないと判断することが、上記解約権留保の趣旨、目的に徴して、<u>客観的に相当であると認められる場合には、さきに留保した解約権を行使することができるが、その程度に至らない場合には、これを行使することはできないと解すべきである。</u>　（中　略）
　本件において被上告人の解雇理由として主要な問題とされている被上告人の団体加入や学生運動参加の事実の秘匿等についても、それが上告人において上記留保解約権に基づき被上告人を解雇しうる客観的に合理的な理由となるかどうかを判断するためには、まず被上告人に秘匿等の事実があったかどうか、秘匿等にかかる団体加入や学生運動参加の内容、態様および程度、とくに違法にわたる行為があったかどうか、ならびに秘匿等の動機、理由等に関する事実関係を明らかにし、これらの事実関係に照らして、被上告人の秘匿等の行為および秘匿等にかかる事実が同人の入社後における行動、態度の予測やその人物評価等に及ぼす影響を検討し、それが企業者の採否決定につき有する意義と重要性を勘案し、<u>これらを総合して上記の合理的理由の有無を判断しなければならないのである。</u>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">001(1)労働契約</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 12 Dec 1973 21:01:06 +0900</pubDate>
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         <title>秋北バス事件「不利益変更：新たに設けた定年制に基づく解雇の効力」（最高裁大法廷判決Ｓ43.12.25）</title>
         <description><![CDATA[<strong>【事件の概要】</strong>
　会社は、従来定年制の定めはなく、昭和３０年７月に施行された「従業員は、満５０歳を以て停年とする。停年に達したるものは辞令を以て解職する。但し、停年に達したるものでも業務上の必要有る場合、会社または本人の人格、健康及び能力等を勘案し詮衡の上臨時又は嘱託として新に採用する事がある」との就業規則５７条の規定も、主任以上の職にある者に対しては適用がなかった。ところが、昭和３２年４月、当該規定の本文を「従業員は満５０歳を以て停年とする。主任以上の職にあるものは満５５歳を以て停年とする｡」と改正し、すでに満５５歳に達していた上告人に対し、退職を命ずる旨の解雇の通知をした。上告人は、当該規定に同意を与えた事実はなく、満５５歳の定年を定めた規定は上告人に対し効力が及ばないとして、解雇の無効を主張した。

<strong>【判決要旨】</strong>
　（１）元来、「労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものである」（労働基準法２条１項）が、多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容の定型に従って、附従的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実情であり、この労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、経営主体と労働者との間の労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範性が認められるに至っている(民法９２条参照)ものということができる。
　そして、労働基準法は、右のような実態を前提として、後見的監督的立場に立って、就業規則に関する規制と監督に関する定めをしているのである。すなわち、同法は、一定数の労働者を使用する使用者に対して、就業規則の作成を義務づける（８９条）とともに、就業規則の作成・変更にあたり、労働者の意見を聴き、その意見書を添付して所轄行政庁に就業規則を届け出で（９０条参照）、かつ労働者に周知させる方法を講ずる（１０６条１項、１５条参照）義務を課し、制裁規定の内容についても一定の制限を設け（９１条参照）、しかも就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならず、行政庁は法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる（９２条）ものとしているのである。これらの定めは、いずれも、社会的規範として拘束力を有するに至っている就業規則の実態に鑑み、その内容を合理的なものとするために必要な監督的規制にほかならない。このように就業規則の合理性を保障するための措置を講じておればこそ、同法は、さらに進んで、「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」ことを明らかにし（９３条）、就業規則のいわゆる直律的効力まで肯認しているのである。
　右に説示したように、<strong>就業規則は、当該事業場での社会的規範たるにとどまらず、法的規範としての性質を認められるに至っているものと解すべきであるから、当該事業場の労働者は、就業規則の存在及び内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わずに、当然に、その適用を受けるべきものというべきである。</strong>
　（２）就業規則は、経営主体が一方的に作成し、かつ、これを変更することができることになっているが、既存の労働協約との関係について、新たに労働者に不利益な労働条件を一方的に課するような就業規則の作成又は変更が許されるかどうか、が次の問題である。
　おもうに、<strong>新たな就業規則の作成又は変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないと解すべきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されないと解すべきであり</strong>、これに対する不服は、団体交渉等の正当な手続による改善にまつほかない。そして、新たな定年制の採用のごときについても、それが労働者にとって不利益な変更といえるかどうかは暫くおき、その理を異にするものではない。
<u>■３名の裁判官の反対意見あり（裁判長横田正俊、大隅健一郎、色川幸太郎）</u>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">007(7)就業規則</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 25 Dec 1968 19:05:16 +0900</pubDate>
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