
共同通信によると、大阪市のかばん卸売会社の専務取締役だった男性=当時(60)=が死亡したのは会社が過重労働を放置したためとして、遺族が同社と社長に約 7,200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は 18日、「生命の危険を防ぐ義務があった」として、会社側の責任を認め計約 1,200万円の支払いを命じた。一審判決は請求を棄却していた。
原告の弁護士によると、取締役に対する安全配慮義務違反を認めた判決は初めてという。
渡辺安一裁判長は、男性が毎月 6日間、北陸地方に車で出張するなどの勤務実態からみて「取締役の名称は名目的だった」と指摘し、男性は使用者ではなく労働者だったと認定。死亡の半年前から部下の従業員 6人のうち 4人が辞めて長時間労働を余儀なくされたことなどから「高血圧になっていた男性には限度を超えた過労」と判断した。
勤務実態を十分認識できた社長も責任を負うとした。
判決によると、男性は 1976年に取締役に就任し、営業を担当していた。 2000年 8月に出張先のホテルで就寝中に急死。死因は急性循環不全とされた。
一審大阪地裁は昨年 4月、男性を「労働者」と認めず請求を棄却。大阪中央労働基準監督署は 04年に労災認定した。
会社の社長は「判決の内容を見ていないので、コメントできない」と話している。