
■平成19年3月29日
共同通信によると、 14日の東京地裁判決で労災と認定され、確定した小児科医中原利郎さん=当時(44)=の自殺をめぐり、遺族 4人が勤務先の病院を運営する立正佼成会に約 2億 5,000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、同地裁は 29日、遺族の請求を棄却した。
湯川浩昭裁判長は「過重な身体的・心理的負担がある業務をしていたとはいえない」と 14日の判決とは反対の判断を示し、自殺の原因を過労とは認めなかった。遺族側は控訴を検討する。
賠償請求訴訟は、労災認定訴訟とは別の裁判官 3人が担当した。
判決によると、中原さんは 1987年 4月から、東京都中野区の立正佼成会付属佼成病院に勤務。 99年 2月から小児科部長代行となった。同年 3月から 6月ごろにかけて、うつ病を発症し、同年 8月に病院の屋上から飛び降り自殺した。
原告側は「代行就任前後で小児科の常勤医が減り、 2日しか休めなかったり、 8回も宿直勤務する月があるなど、業務は過酷だった」と主張したが、湯川裁判長は「宿直中に仮眠できないほど患者は来ず、日程の割り振りにも一定の余裕があった。業務が原因でうつ病を発症する危険がある状態だったとはいえない」として退けた。
判決後、記者会見した原告の妻のり子さん( 51)は「裁判官が違うとはいえ、全く予想しなかった内容。夫の労働が大して過重ではなかったという判断は納得できない」と話した。