
日本マクドナルドが店長を管理職扱いにして残業代を認めないのは違法として、埼玉県内の直営店店長高野広志さん(46)が約 1,300万円の未払いの残業代と慰謝料などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は 28日、直営店店長について「管理監督者には当たらない」と述べ、残業代など計約 750万円の支払いを命じた。
直営店店長は全国で約 1,700人。チェーン店展開で同じような経営形態をとるファストフード店やコンビニエンスストアにも影響を与えそうだ。
斎藤巌裁判官は直営店店長について (1) アルバイトの採用権限はあるが、将来、店長などに昇格する社員を採用する権限がない (2) 一部の店長の年収は、部下よりも低額 (3) 労働時間に自由がない―などと指摘。「経営方針などの決定に関与せず、経営者と一体的立場とは言えない」と述べた。
その上で、「店長の職務、権限は店舗内の事項に限られており、労働基準法の労働時間の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないとは認められない」と判断した。
判決によると、高野さんは 1999年 10月に店長に昇格。管理職に相当する「管理監督者」として扱われ、残業代などが支払われなくなった。
高野さんは、店長には権限がほとんどない上、月 100時間以上の残業をした時もあったのに、残業代がないため、月給が部下を下回ることもあったと主張。管理監督者とは言えないとして、時効にかからない約2年間の未払い残業代などを求めていた。
会社側は、店長は残業代の代わりに手当が支給されているほか、予算権限もあり、管理監督者に当たると反論していた。
■日本マクドナルドユニオン声明
http://www.mc-union.jp/wnew.cgi?mode=view&id=20080129181843
■マクドナルド、「モラルの問題」と批判:経団連の草刈副会長が苦言
日本経団連で労働問題を担当する草刈隆郎副会長(日本郵船会長)は29日、日本マクドナルド店長を管理職に当たらないとした東京地裁判決を受け、外食産業などに影響が広がっていることについて「こうした問題が起こってくるのは大変遺憾に思う」とした上で、「名前(役職名)だけ与え、給料は安く、管理職の評価をしていないとすれば、モラルの問題だ」と述べ、日本マクドナルドなどの管理体制を批判した。(時事通信)