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労働契約法

労働契約法施行に伴う実務上のポイント@

■就業規則の有効要件が、法律【労働契約法第7条】で明確になりました。
有効要件は2つです。
    ⇒ @就業規則の内容が「合理的」であること
    ⇒ A就業規則の内容が「周知」されていること  

すなわち、「合理的(性)」と「周知」がキーワードです。

就業規則の合理性については、労働契約法の施行以前から最高裁は判示してきました。
最初の判例は、帯広電報電話局事件(最高裁第一小判決:S61.3.13)です。
会社指定医師による法定外の頸肩腕症候群総合精密検査の受診義務の根拠につき、「就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従するべき旨を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものであるかぎりにおいて当該具体的労働契約の内容をなしている」と判示しました。
 又、時間外労働義務の判例である日立製作所武蔵工場事件(最高裁第一小判決:H3.11.28)でも、36協定の届出があり且つ就業規則で時間外労働義務を定めているときは、「当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的な労働契約の内容をなすから、右就業規則の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする。」と判示しています。

就業規則を作成、変更する場合は、少なくともその内容が、法的に合理的な内容であることが必要ですが、それだけでは十分ではなく、日々の運用及び労務管理全体についても合理的でなければ有効とはなりません。

 例えば、総務や人事は、就業規則の内容を理解し合理的に運用していても、営業職等の現場の管理職(課長や所長等)が誤った運用をしているケースはよく見受けられますが、場合によっては、会社に対して損害賠償が請求されるケースも多々見受けられます。
代表的な事例として、セクハラは有名になりましたが、最近ではパワハラを原因とするうつ病や自殺に伴い、会社に対して不法行為に基づく損害賠償請求事件が増加しています。
 又、解雇や懲戒処分についても、就業規則自体は合理的であっても、その運用が合理的でなかった為に、会社が行った解雇や懲戒処分が無効になるケースは頻繁にありますので、注意が必要です。そういう意味では、管理職教育の1つとして、「部下の労務管理における合理性に関する知識」は、労務監査の観点からも必要不可欠な重要テーマと言えます。

■合理的な就業規則、合理的な労務管理とは?
それでは、労働法(実務的には人事労務管理)における合理性とはどのような内容でしょうか?

実際には、個々の条件がさまざまですので、ケースバイケースとしか言いようがありませんが、
事件が起こった後、会社の対応が合理的であり法的に有効であったと評価してもらうには、(就業規則の内容が合理的であることは当然として)日々の労務管理を行う指針として次のことを意識して行動することをお勧め致します。

・使用者(会社)と労働者とは、対等ではなく、労働者は常に○○であることを意識すること。
・労働契約の対象とする「○○」は、保存ということが不可能な商品であるので、「物」の売買のような契約とは、基本的な○○が違うということを意識すること。
 ・会社側の強い立場を背景とする、○○的、○○的、○○的な方法を用いないように意識すること。
  (弱者に対する○○を意識すること)
 ・労働者に○○や○○等の処分をする場合、或いは、書類に○○を求める場合は、労働者に○○時間、○○時間又は○○を与えるように意識すること。
 ・特殊な場合を除き、会社は労働者を雇用した限り、労働者を○○・○○する基本的な責任(義務)があることを意識すること。

最終的な合理性の有無は、会社側・労働者側のさまざま事情を総合的に考慮して判断されます。

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